北海道の「紅葉」のおはなし 〜北海道の気候と地形が生み出す絶景〜

北海道の自然
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はじめに

北海道の紅葉は、全国でもいち早く始まることで知られています。北海道旅行を考えている友人に私がよくおすすめするのも「秋の北海道」です。赤や黄色に染まった広大な自然の風景は、まるで絵画のよう!

この記事では北海道の気候の特徴を振り返りながら、エリアごとの紅葉の見頃、北海道ならではの紅葉の魅力をお伝えしたいと思います。

北海道の気候の特徴

北海道の気候は、本州などの他の地域と比較すると大きく異なります。特に紅葉の色づきに影響を与える特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 冷涼な気候
  • 四季が明瞭で、特に秋は一気に気温が低下する
  • 昼夜の気温差が大きい

北海道では、8月のお盆が過ぎる頃になると、夜に涼しい秋らしい風が吹きはじめます。9月に入りさらに秋が深まると、昼と夜の気温差をよりはっきりと感じるようになります。日中の気温が30℃近くまで上がる一方で、夜には10℃を下回り、1日の気温差が20℃以上になることも。1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始まり、5~6℃以下になる日が続くとその色が深まると言われていますから、このような秋の温度変化が、紅葉の色づきにも影響を与えているのです。

北海道の紅葉はいつ?エリアごとの気候と紅葉の見頃

また北海道は、広大な面積を持つため、上記のような気候の特徴を共有しつつも、地域ごとに気候差があります。道北道央道東道南の4つのエリアそれぞれが特徴的な気候を持ち、その違いが紅葉の時期や鮮やかさにも影響を与えています。

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道北の気候と紅葉の見頃

道北(旭川や大雪山など)は、特に寒冷で冬が厳しい地域です。旭川の年間平均気温は7.2℃、1月の平均気温は-7℃にもなり、1902年に氷点下41℃の日本最低気温を記録しています。秋の訪れも早く、紅葉は9月初旬に始まります。大雪山系では全国で最も早く紅葉が見られ、8月末には木々が色づき始めます。

道央の気候と紅葉の見頃

道央(札幌や富良野、小樽など)は、比較的温暖で、札幌の年間平均気温は9.2℃です。それでも秋には昼夜の寒暖差が大きくなり、9月中旬から紅葉が進みます。札幌や富良野では、10月中旬から下旬にかけて紅葉が最盛期を迎えます。

道東の気候と紅葉の見頃

道東(釧路や帯広、阿寒湖など)は、内陸部では寒さが厳しいものの、沿岸部は穏やかです。釧路市の年間平均気温は6.7℃で、9月下旬から10月上旬にはオンネトーや阿寒湖で紅葉がピークを迎えます。

道南の気候と紅葉の見頃

道南(函館など)は、北海道の中では最も温暖で、冬の寒さも他の地域に比べて緩やかです。函館市の年間平均気温は9.4℃で、紅葉の見頃は10月中旬から11月初旬です。遅めの紅葉を楽しめる地域として人気があります。

北海道の紅葉 その見頃や特徴

冷涼で、明瞭な四季と昼夜の気温差のある北海道。その気候の特徴は、魅力的な北海道の紅葉を生み出す原動力にもなっています。北海道の紅葉は、他の地域と比較してどのような特徴があるのでしょうか。

どこよりも早い紅葉シーズンのスタート

北海道の紅葉の最大の特徴は、何と言ってもそのスタート時期の早さでしょう。日本一早い紅葉と言われる大雪山系の黒岳、旭岳の山頂付近では、例年8月末頃から木々が色づきはじめます。そして、9月中旬頃には山々の紅葉は見頃を迎え、9月末から10月初旬には日本一早い(ことの多い)初冠雪が記録されます。

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北海道の地形とその広大さにより、紅葉の見頃が地域によって異なっているのも北海道の紅葉の特徴のひとつです。木々の色づきは、日を増すごとに麓の市街地にも降りていき、平地の札幌や函館では10月中旬から11月初旬にかけて紅葉が進みます。大雪山系では9月初旬から10月初旬、函館など道南では10月中旬から11月初旬と長い期間、紅葉が楽しめます。

寒暖差による紅葉の鮮やかな色づき

夏から秋への移り変わりが急激に進み、昼夜の寒暖差が大きい北海道、特に山間部では、紅葉の赤や黄色が美しく映えます。

紅葉は、気温が下がり始める秋に、木々が冬に備えて葉の中のクロロフィル(緑の色素)を分解して離層を形成することで始まります。葉からクロロフィルが減り、「アントシアニン(赤色)」や「カロテノイド(黄色)」の色素が合成されたり、相対的に量が増えたりすることで葉が赤や黄色に色づいて見えます。

葉を紅葉させる「アントシアニン(赤色)」は、葉に蓄積した糖分がアントシアニジンという物質と結びつくことで合成されます。夜の気温が低いと、糖分消費が抑えられて葉の中に「アントシアニン」が多く蓄積されるといわれます。昼と夜の寒暖差がある北海道の気候が、木々の鮮やかな色づきを生み出しているのです。

多種多様な樹木と地形が作り出すダイナミックな自然景観

北海道の紅葉は、多種多様な樹木によってその美しさが一層際立ちます。ミズナラやカエデ類、ダケカンバ、ナナカマドといった多様な樹種が秋の急激な冷え込みにより一斉に色づくため、紅葉の色はより深みを増します。

一つの山や谷を見渡すと、鮮やかな赤、柔らかな黄色、そして常緑樹の緑が織り交ざり、まるで自然が作り出した巨大なパッチワークのようです。これが北海道の自然ならではの地形と重なり合ってダイナミックな風景が楽しめます。

まとめ

北海道の紅葉は、その冷涼な気候と独特な地形が生み出す自然美が大きな魅力です。日本一早い紅葉、昼夜の気温差による鮮やかな色づき、多様な樹木と雄大な地形が織りなすダイナミックな風景は、北海道ならでは!この秋、ぜひ北海道に紅葉の絶景を見にいらしてくださいね。

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