はじめに|空気って、見えないけれど“ある”んだね
「ただいま〜」のあとに待っている、お風呂タイム。
一日の終わりで大人はヘトヘト…でも、なぜか子どもは元気いっぱい!
湯船でちゃぷちゃぷ、洗面器でジャバジャバ──そんなお風呂時間、
ちょっとの工夫で“楽しい学び”に変えてみませんか?
今回のテーマは──
お風呂で「空気の存在」を体感しよう!です。
身近にある洗面器やバケツをお湯に沈めて、ひっくり返すと「ブクブク…おなら〜!」──そんな遊び、したことはありませんか?
ただの笑い声で終わらせるのはもったいない!
この遊び、空気の存在に気づくきっかけとして、立派な知育体験になるんです。
子どもたちは、「なんで音が出るの?」「中に何が入ってたの?」と不思議がいっぱい。
“楽しい”から始まる学びの時間、お風呂で試してみませんか?
STEP1|まずは泡が出る不思議を楽しもう!
✅ 用意するもの
- 洗面器やバケツ(空の状態)
- お湯の張ったお風呂
▶ あそびかた
- 空の洗面器を子どもに見せて「なにが入ってる?」と聞いてみましょう。
- それを逆さまにしてお湯の中へそっと沈めてみると……
ぷくぷくぷく……!
洗面器の中から泡があふれ出してきます。
「あれ?なにも入ってなかったのに!」
「どうして泡が出てきたの?」
子どもが驚くリアクションこそ、学びのチャンスです。
STEP2|空気にさわってみよう!
今度は、沈めた洗面器の下から手を入れてみましょう。
「あっ、なんかある!」
「ふわふわしてる!」
そう、目には見えないけれど、そこには“空気のかたまり”が存在しています。
水の中に浮かぶ透明なクッションのようなその感触は、子どもにとって“空気を触る”初めての体験になるかもしれません。
よく観察すると、空気と水のあいだにははっきりとした“境目”があることにも気づけます。
さらに、手を差し込むとその体積ぶんだけ空気が「ぷくぷく」と逃げ出していく……。
手の動きと空気の減り方が連動していることに気づけば、子どもは自然と「なんでだろう?」と考え始めるでしょう。
それはまさに、感覚と科学が出会う瞬間です。
STEP3|なぜ泡が出てきたのか、一緒に考えてみよう
「なんで、泡が出るのかな?」
「洗面器の中には、ほんとになにもなかった?」
親子で一緒に、「どうして?」を考える時間にしてみましょう。
💡 親のヒントになる声かけ例
- 「空気って、水の中でどうなるんだろう?」
- 「水は押されるとどう動く?」
- 「泡は上にのぼるけど、それはなぜ?」
正解を言わなくても大丈夫。
“自分で考えてみる”ことが知的好奇心の第一歩です。
STEP4|いろんな容器で“空気のちがい”を実験!
「形がちがうと、どうなるんだろう?」
「大きさで泡の出かたって変わるの?」
そんな子どもの“なんで?”を、遊びながら確かめてみましょう。科学的思考の入り口にもなる、シンプルだけど奥深い実験あそびです。
✅ こんな実験をしてみよう!
- いろんな形・大きさの容器を使ってみる
→ ペットボトル(小・大)、紙コップ、計量カップなど。
→ ひっくり返して沈めたとき、泡の出かたや量に違いがあるか観察してみよう! - 透明な容器で“中の空気”を見てみる
→ 逆さにしたときに、容器の中に空気の層が残っているのが見えるかも?
→ 色つきの水を容器に入れて、外との動きの違いを比べるのもおすすめ! - 水の中で容器を傾けて、空気がどう動くか観察する
→ 「空気って、水の中を動くんだ!」という発見に出会えるかもしれません。
「なんで泡の出る量がちがうんだろう?」「空気ってどうして水の中で浮かぶの?」
そんな“仮説”を立てて、自分で試してみることが、科学的思考の第一歩。
遊びながら「実験」気分で、空気のふしぎにたっぷり触れてみてくださいね。
遊びをより深める工夫
遊びながらの会話が、学びの質をぐっと深めてくれます。
📌 声かけの工夫
- 「お湯の中で空気はどこにいると思う?」
- 「この泡、空気ってことは、どこから来たのかな?」
- 「水の中に手を入れたときと、空気の中に手を入れたとき、感じ方はちがう?」
📌 体験を記録してみよう
- 子どもが描いた絵に、今日の発見をメモして一緒に保存
- 「空気が入ってるって見えないけど、感じられたね」などの“気づきのことば”を残すと後からも楽しめます
おわりに|空気に出会う、不思議なバスタイムを
今回ご紹介したお風呂あそびは、
「空気は目に見えないけど、ちゃんと“ある”」ということを体験から学べる遊びです。
「泡が出てくるの、なんでだろう?」
「さわってないのに、何かあるみたい!」
そんな子どものつぶやきが、科学の芽。
親子のお風呂時間が“考える力”が育つ、楽しい知育の時間になりますように。